岡山大学西洋史学研究室便り

岡山大学西洋史学研究室で行われたことなどを更新していきます。

2013年度・卒論発表会について

お久しぶりです、岡山大学西洋史M1の北川です。

先日12日、岡大西洋史の今年度卒論発表会が行なわれ、七人の四回生の皆さんがそれぞれ自らの力作を発表してくれました。そこで今回は、その卒論発表会の様子について、お伝え出来ればと考えております。

 

 

さて、そもそも卒論発表会とはなんでしょうか……その名のとおり卒業論文について発表する場だろうが、というツッコミが来そうですが、その実態についてはあまりご存じない方も多いのではないでしょうか。

西洋史演習室の三回・二回生の皆さんは、一月の終わりごろに四回生たちが演習室のテーブルを占拠(!!)して、数々の資料を読み、ああでもないこうでもないと産みの苦しみを味わいつつ、卒業論文を書き上げる姿をご覧になったことでしょう。しかし卒論が完成したからといって、それでゴールというわけではありません。先生方による質疑応答と評価を受けなければならないのです。RPGでいえば、魔王を倒す武器を手に入れたからといってそれで終わりではなく、 敵城に乗りこんで、待ちかまえている魔王を倒すまでがゲームだ、みたいなものですね……閑話休題

 

ともあれ、この「先生方による質疑応答」の場が、卒論発表会というわけです。発表者は一人10~20分程度の持ち時間を与えられ、卒業論文の内容について簡単に説明(紹介)した後、先生からの質疑応答を受けることになります。

なお、岡大西洋史研究室では代々、先生方だけでなく院生や三回生・二回生といった学部生も参加することになっています。その様子は↓のようなもので、

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と、一見怖そうな気もしますが、実際は和やかな雰囲気で、たびたび笑いなども混じりながら進んでいきました(例年だいたいそうです)。

 

そして今年発表された卒業論文は、

「フランスにおけるスカーフ論争~ライシテ・ラシスム・セクシュアリティ~」

「ヨーロッパ世界から見るヴァイキング活動の実情とその背景」

1920年代~30年代初頭のオーストリアにおける護国団運動と1929年憲法改正

「イギリス近代警察―市民警察と社会的受容―」

ポーランド最後の王スタニスワフ・アウグスト」

「17世紀~19世紀初頭イギリスにおける砂糖の受容と社会変容」

「戦後イギリスの鉄道高速化と交通政策~APTとHSTを例に~」

「韓国におけるキリスト教拡大の要因―19世紀末から20世紀初頭にかけて―」(※当日欠席)

といったラインナップで、個々にいろいろと問題点や疑問点はあったものの、全体的には例年よりもやや上のレベルではないか、と私は思います。

というのも、かつての卒論発表会で見られたような「卒業論文をただ朗読する」や「発表の準備が足らず、よく沈黙してしまう」といった発表者がいなかったからです。発表時間のオーバーは何人かありましたが、それぞれ自身の研究内容を理解して発表に臨めていたのではないでしょうか。

ただし、欲を言えば発表用原稿を用意していた人とそうでない人がいて、このあたりも発表の良し悪しに大きく影響したと思うので、三回・二回生の皆さんは、ぜひ原稿の準備、場合によっては発表練習も何度か行なって、卒論発表会に備えてください。

 

さて、そして発表会が終わった後は、皆さんお待ちかね、四回生をねぎらっての打ち上げが行われます。

昨年は演習室でやりましたが、今年は岡山駅前のイタリアンな居酒屋を予約して。教員・院生・学部生ともにいい感じで盛り上がって、一部はそのまま二次会までなだれ込む勢いでした。指導にあたられた先生方や執筆・発表した四回生の皆さん、本当におつかれさまでした。また、それぞれ忙しいなか、四回生の皆さんをサポートしてくれた院生・三回生・二回生の皆さんも、ありがとうございました。ぜひ来年も、それぞれ自身の興味あるテーマを精一杯発表してくださるよう、期待しております。

 

 

さて、この卒論発表会で、西洋史研究室の年中行事もほぼやりきった感があります。しかし休む間もなく、今度は来年度の新歓の準備が待ち構えているわけで……果たして今年はどのようなものになるでしょうか。皆さん、頑張っていきましょう。

(文責・北川)